静大生錦絵深読
浮世絵、気になってませんか?
北斎や広重、あるいは歌麿。浮世絵は国際的にも愛好家の多い、江戸の華。多くの展示会も開かれています。しかも、去年は春画が大きな話題になりました。しかし、浮世絵って何? 印刷物だけど、芸術?? 気になりますよね。もっと知りたい、ですよね。
美術館ではガラスケースに入れられ、芸術作品として眺める浮世絵ですが、江戸時代にはどうしていたんでしょうか。大切に保管されていたものが今も伝えられているのですが、多くはピンナップのように壁や柱に貼られていたようです。あるいは、教材やおもちゃとして使われ、切り取られ、やがて紙屑になりました。それは、現代の様々な実用的印刷物と一緒です。ただ、カラー印刷機の無い時代、職人たちは、できる限りの事をしてくれた、というわけです。
ところで、例えば映画のポスターを眺める時、勿論、構図や印刷について気にする人もいるでしょうが、基本的には、描かれているのがどんな場面で、登場人物は誰、役者は誰、と言う話で盛り上がるのではないでしょうか。浮世絵も、まずは、そういう興味の対象だったはずです。
この展示会は、2015年度、静岡大学で開講した「日本文学演習Ⅲ」と言う授業の成果を公開しようという企画です。授業では、実物の浮世絵(担当教員個人のものですから、良いものはあまりありませんし、傾向や絵師に偏りもあります)を教材として、同時代の人達が読み取り、愉しんだ内容について、学生たちが調べた事を発表してきました。
調べはまだまだ不十分ですが、普段の芸術鑑賞とはちょっと違う、浮世絵の愉しみを、多くの皆さんと共有できれば幸いです。
ご高覧賜りますよう。お願い申し上げます。
静岡大学人文社会科学部言語文化学科 小二田誠二
会場 ノアギャラリー 静岡市葵区伝馬町8-10 地下1階
電話 054-291-7276
https://www.noah-design.net/noahgallery
日時 2月17日(水)~2月23日(火) 11時~18時
* 2月20日(土) 15時から、会場でデッサン会、その後交流会があります。
* 期間中、担当学生・教員が交替で在廊します。